男たらしの末路

この話はフィクションです。名前は書いていません。お好きな名前をご自身でいれてください。

ここの高校には男たらしがいる。男の前では女子アピールがすごくてか弱い私って感じ。それでまぁ可愛い部類に入るから彼氏が途絶えることはない。それだけならまぁ害はないけど、彼氏持ちの女子からそいつは彼氏を奪うんだ。その時は倦怠期だったり喧嘩してたりしてる女子をどうにかして探して優しくして自分のものにする。そして飽きたら捨てるわけだ。まぁ彼氏は2次元の私には関係ないが…。

 

教室の机で妄想をしてると私宛にメールがきた。LINEでグループとか作っているが、そういうのは煩わしいので私だけメールにしてもらってる。メールしてる相手は一軍のボス女子だけ。ボス女子は男と男たらし以外には基本優しい。LINE交換するとき迷っていたらメールでもいいって言ってくれたからメールで済んだ。授業前だったから読んでみることにした。

 

『らぶっち元気?うちね~彼ぴできたんよ!しかも!あのK高のサッカー部の主将!玉砕覚悟で告ったらOKもらえたんよ!マジ嬉しい~♡そんだけだかららぶっちからなんか聞きたいことがなかったら返事いらないからね~。』

 

ボス女子は私のことをらぶっちと呼ぶ。そっか~ボス女子、根は優しいからK高のサッカー部の主将にOKもらったんやな。他人の恋愛事情には興味ないけど、幸せが長く続くといいな…。

 

 

ボス女子とK高のサッカー部の主将との付き合いは関係ない私が見たってお似合いのカップルだった。ボス女子の取り巻きも幸せそうにしている。数日してボス女子は今日彼氏と帰れないことに寂しそうにしてたけど、取り巻きがカラオケに誘ったみたい。私は繁華街にあるBL本の売り場と好きなキャラの雑誌や本をみてなんかいいのないかと探していたら聞き覚えある声が聞こえてきた。1人は分からなかったけど、もう1人はすぐに分かった。あのうざったらしい声は男たらしだ!誰といるのかと思って見てみたらなんとボス女子の彼氏と一緒にいた!彼氏はちょっと困った顔をしていた。私は趣味悪いなと思いながらその光景を写真に撮ってボス女子にメールで送った。

 

その日の夜、ボス女子からメールが来た。

『らぶっち〜写真撮ってくれてありがとう!彼氏に聞いてみたら「無理やり誘われただけ!マジイヤだった」って返ってきたよ。あいつのインスタには匂わせ投稿してるけど、ウチにはなんのダメージないからね!らぶっち、ホントにありがとう。イヤな思いしたらごめんね』

 

と返ってきた。ボス女子強いなって思いながら今日買った戦利品を読んだ。

 

そんなことがあってか、K高のサッカー部の主将は毎日かかさずにボス女子を迎えに行ってる。サッカーは大丈夫なのかと思っていると取り巻きが朝練を徹底してるから大丈夫らしいってことを教えてくれた。まぁ、ボス女子はK高のサッカー部の主将が主将じゃなくなっても好きではいるだろう…。ボス女子は内面を見る人だから、男たらし以外には好かれているんだよな。

 

 

今日は取り巻きになんでか誘われて、繁華街のカラオケにきた。最初は断ったけど、取り巻きが全額出すって言ったからついてきた。取り巻きが歌っているのを聞いていると1人が私に声をかけてきた。

 

「今日、きてくれてありがとね。」

「ううん、別にいいけどなんで私を誘ったの?私ってオタクだから合わないと思うんだけど…。」

「らぶっちのお兄さんって警察の人だったよね?」

「そうだよ?なんかお兄ちゃんに相談でもあるの?」

「…最近、あの男たらしに奪われた元カレがよりを戻そうってうるさくて。お兄さんに相談したらなんかしてくれるかなって…。」

「それはきもいな。帰りにお兄ちゃんに来てもらって一緒に帰る時にそのこと話してよ。私でも力になることはするから。」

「ありがと~マジらぶっち神やわ!」

 

私はすぐにお兄ちゃんにLINEしてカラオケ後に迎えに来てもらうことにした。結構カラオケが楽しくてすぐに時間がきた。会計のために1階に降りると、お兄ちゃんが待っていてくれた。

 

「あっ、お兄ちゃん!」

「俺は暇に見えるかもしれないけど、そんなに暇じゃないんだぞ。」

「ごめんって!でも、来てくれてありがとう。」

「まぁ、お前のクラスメイトが困っていたらな…。会計は俺がするから伝票くれ。」

「ええ?うちらが払いますよ!」

「妹を誘ってくれた礼だよ。古い思考だけど、こういう時は年上に黙っておごられればいいんだよ。」

「そうそう!お兄ちゃん、結構したけど大丈夫?」

「大丈夫!結構持ってきたから。」

 

会計はお兄ちゃんに任せて店の外で待っていたら男たらしと男どもがこっちを向いて走ってきた。多分、男たらしが奪った元カレ軍団だろう。男たらしの彼氏になったけど、捨てられたからその恨みを持っているんだろうと私は思った。私はともかく、取り巻きたちが危ない。私は一応護身術を習っているものの男どもが多いからみんなを守れる自信がない。

 

「みんな!一旦お兄ちゃんのところへ行って!」

 

私はそう言って取り巻きをお兄ちゃんに預けて店の外に戻った。その時には男たらしは髪の毛をつかまれていた。「助けて!」って言っている。でも、私は助けようなんて思わなかった。だって全部自分が蒔いた種だから。更生するならまだしも、絶対に更生なんかしないだろう。私は自分に火の粉がこないようにしながら様子をみていたら、お兄ちゃんが呼んだであろう警官がきてた。私は目撃していたということで、ちょっと話をしていた。お兄ちゃんが取り巻きを送ってくれて戻ってきたらお兄ちゃんと一緒に話をした。ちなみに取り巻きの1人のことはお兄ちゃんも聞いてその男どもの中にいたから厳重注意をしていた。

 

 

そんなことがあったら黙っていても学校中に広まって男たらしは全員から白い目を向けられていた。まぁ、自業自得だよねっと思いながら、ボス女子とK高のサッカー部の主将のいちゃいちゃを見ていた。